MBTIタイプと愛における恐怖

この記事はMBTIタイプと4つの愛の続編です。

まずは、前回の内容をおさらいしましょう!

MBTI各タイプの領域・目標

MBTIタイプ名の1文字目と4文字目のペアは、領域を表します。

領域とは、各タイプが無意識に情報を適用する場所・範囲です。

 
MBTIタイプ名の2文字目と3文字目のペアは、目標を表します。

目標とは、各タイプが領域において達成したいことです。

領域

①タイプの文字
②優先する情報の種類
③領域

IP IJ EJ EP
データ
詳細
原則
傾向
行動
結果
観察
動機
状況
対象
世界
傾向
グループ
経験
個人
反応

目標

①タイプの文字
②二重二分法
③目標

NT NF ST SF
概念×
有用性
概念×
意義
経験×
有用性
経験×
意義
予測
あり得る有用性の発現
啓発
あり得る意義の発現
実用
既にある有用性の保護
喜び
既にある意義の保護

愛のタイプ

MBITタイプ名の文字は、愛のタイプも表します。

愛へのアプローチ方法

1文字目と4文字目は愛へのアプローチ方法を表します。

EJ EP IJ IP
熱烈な
Fervent
真摯な
Earnest
永続的な
Enduring
安定的な
Steady

1文字目と4文字目のペアからのアプローチ方法の導き方について、詳細は原典には示されていません。

しかし、各タイプが優先する情報の種類から、何となくは分かります。

EJ

EJが優先する情報は「行動と結果」です。

EJは、自他の行動とその結果を注視し、それらを元に行動計画を策定することを重視します。

彼女らはまた、何かを目的として行動を起こすことに急ぎます。

よって、EJは愛においても積極的に行動することを好みます。

EP

EPが優先する情報は「観察と動機」です。

EPは、外的世界や自他を観察し、自他の動機(心のパターン)を理解・探求することを重視します。

相手の持つ性質を真に理解しようとし、それはまた相手を尊重することに繋がります。

よって、EPの愛はEarnest(真摯、誠実、真剣、熱心)なのです。

IJ

IJの優先する情報は「原則と傾向」です。

IJは、世界における原則や全体的な傾向を理解することを重視します。

世界とは、世界全体・社会・文化・コミュニティなど、、、多くの物事や人々を包含する範囲で、想像上のもの(観念的なもの)です。

原則とは、多くの物事の背後にある単一の法則です。または、多くの物事を説明することができる長大な一行のプログラムコードです。

原則は容易には変わらないものです…不変であるからこそ原則とも言えます。

 
IJは、長い時間変わらないものを特に重視しています。特にISxJは過去から現在まで続いてきたものを重視し、INTJは現在まで続いてきたものを活用して、どのように未来を構築するかを重視しているように思えます。

よって、IJの愛はEnduring(永続的・不朽)なのです。

IP

IPの優先する情報は「データと詳細」です。

IPは、特定の物事(対象、経験、理論、人など)にズームインし、それらを深く探求することを重視します。

IPのアプローチ方法がなぜSteady(安定的、平静、落ち着いた)なのかが一番難しかったです。

 
例えばEJと比較すると、EJは外界を注視し実際に何かを実行することを好むのに対し、IPは対象の一つ一つの詳細をじっくりと内省することを好みます。

また、IJやEJは人々という集合体に共通する要素に着目しているのに対し、IPやEPは一人一人の個性を重視していて、、、受容的なのかなとも思います。

更に言うと、IPは内向的判断機能(Fi,Ti)を主としていて、とても自己独立的で、外的世界の影響を受けない傾向が強いです。

このような性質から、IPの愛はSteadyなのだと思います。

保護(S) vs 成長(N)

S:保護の愛
N:成長の愛

S(感覚)は、すでに存在するものの保護、物事が何であるか、に関係します。

N(直観)は、概念、成長、潜在的な可能性、物事が何になり得るか、に関係します。

 
したがって、Sタイプの愛は、すでに存在している愛と人間関係を保護することと、それらの人間関係を当事者にとって安心できる場所にすることを重視します。

また、Sタイプは、あるピースが現状の世界のどこに適合するかにフォーカスします。よってSタイプの愛は、ある人間関係が当事者に対して、経験する広い世界の中においてどのような場所を与えるかにフォーカスします。

 
一方Nタイプの愛は、関係から抜け出し、関係をさらなる高みに押し上げることを重視します。

そして「関係内の成長=興奮」と考え、関係内でどれだけの興奮が起こっているかを重視します。

また、Nタイプの愛は、物事が概念上どのように関連しているか、つまり関係内のメンバーが概念的にどのように似ているか、異なるかにフォーカスします。

有用性(T) vs 意義(F)

T:意図的な愛
F:自然な愛

思考(T)は物事の有用性に関係します。

感情(F)は物事の意義に関係します。

 
Tタイプの愛は、愛が当事者の利益のために何をもたらすことができるかを重視します。

それはまた、決断することに喜びを感じ、いつ、どこで、どのように愛するかを決めたいと考えます。

 
Fタイプの愛は、愛そのものの本質的な価値、更なる利益を必要とせずに愛がもたらす幸福、にフォーカスします。

それはまた、愛をとても自然に感じさせます。

愛のタイプ(目標)

2文字目と3文字目は愛のタイプ(目標)を表します。

そして、各愛のタイプ(目標)には、最も適したアプローチ方法があります。

 
①タイプの文字
②愛のタイプ
③マッチするアプローチ方法
④マッチするアプローチ方法

NT NF ST SF
情熱
Passion
意義
Meaning
献身
Dedication
安全
Safety
EJ EP IJ IP
熱烈な 真摯な 永続的な 安定的な

原典の情報のみだと説明不足なので補足します

NT(成長×利益)

更なる利益をもたらすめ、意図的に行動・選択を行う

Tタイプは、何かを用いて有用な効果を生み出すことを重視

NF(成長×意義)

更なる意義(素晴らしさ)をもたらすため、自他の持つ意義(本質)を理解する

ST(保護×利益)

既にある利益を保護するため、意図的に行動・選択を行う

Tタイプは、何かを用いて有用な効果を生み出すことを重視

SF(保護×意義)

既にある意義(幸福)を守ろうとする

16タイプと愛のタイプ

ENTJ
熱烈
情熱
ENTP
真摯
情熱
ENFJ
熱烈
意義
ENFP
真摯
意義
INTJ
不朽
情熱
INTP
平静
情熱
INFJ
不朽
意義
INFP
平静
意義
ESTJ
熱烈
献身
ESTP
真摯
献身
ESFJ
熱烈
安全
ESFP
真摯
安全
ISTJ
不朽
献身
ISTP
平静
献身
ISFJ
不朽
安全
ISFP
平静
安全

例えば、情熱の愛に最も特化しているのは、熱烈なアプローチ方法を取るENTJということを表しています。

4つの愛のタイプ

アガペー エロス フィリア ストルゲ
真摯 熱烈 不朽 平静
意義の愛 情熱の愛 献身の愛 安全の愛
ENFP ENTJ ISTJ ISFP

ここまでが前回の記事をおさらいです。

以下が今回の記事の主題です。

各愛のタイプの不健全性

あるタイプの愛に傾きすぎることは、他の愛のタイプから遠ざかることによって起こります。

それぞれの愛のタイプの健全なバージョンは、歪んだバージョンとは明らかに異なります。

 
アガペーの反対はフィリアであり、エロスの反対はストルゲです。

そして、私たちがあるタイプの愛に偏りすぎているときは、バランスを取り戻すために反対の愛のタイプを理解することが重要です。

 
日本文化の極端な二面性は、ISTJENFPの性質の対比を表しています。

日本古来からの文化である「名誉、禅、献身、精密さ」はISTJ的です。

現在のアニメ文化の「Kawaii!!」はENFP的です。

日本のアニメ文化は、日本の伝統的文化に反応して現われたようです。

 
これらの例は「フィリア:献身の愛」と「アガペー:意義のある愛」の背後にある性質を完全に要約しています。

アニメ文化=ENFP的

ENFPの特質は人々の個性に着目し、皆が独自の意義を発揮することができるように手助けすることです。

よってENFPは、人々に共通する人間性ではなく、個々の独自性や内なる価値を重視しています。

アニメは、キャラクターの色とりどりの個性を見せてくれますよね?

それは現実とは比べ物にならない程の多様な性質を、です。

だからアニメ文化はENFP的、なのだと思います。

日本古来の文化=ISTJ的

こちらの方が分かりやすいのかな、と思います。

IJは、世界全体の背景にある永遠の原則の理解、常に真実である複雑性の理解に優れ、ズームアウト的な視点を持ちます。

STは、既に存在している物事に基づいて機能しようと試みます。それは現状の良い点の保護に繋がります。

よってISTJは、今在る世界を過去からの連続と捉え、現状の世界の有用な点を理解しています。

 
 
 
フィリアに傾倒する人は、アガペーを子供っぽく愚かなものと考えます。

アガペーに傾倒する人は、フィリアを頑なで啓発的でないものと考えます。

 
しかし、フィリアの鋼のような精密な忍耐が、アガペーのエキサイティングな色とりどりのラッシュ(奔出)を取り入れると、その永遠の献身新たな希望と意義を得ることができます。

また、アガペーのドキドキさせるような、虹のような性質が、フィリアの一貫性、忍耐力、安定性を取り入れると、その高らかな目的着実に遂行する能力を得ることができます。

 
 
ストルゲに傾倒する人は、エロスを安全なものすべてに対する危険と考えます。

エロスに傾倒する人は、ストルゲを退屈で臆病なものと考えます。

 
しかし、ストルゲの静寂さが、エロスの微笑むような火花を取り入れると、その人間関係における各メンバーが「より」快適に過ごせるようになります。

また、エロスの刺激的な炎が、ストルゲの穏やかな性質を取り入れると、焼き尽くされるという恐怖から人々を守りながら、どのように行動したら良いかかを正確に理解することができます。

 
 
私たちは人間関係において安心感を得るために、ある愛のタイプに傾きすぎることがあります。

「愛のタイプ」と「MBTIタイプの不健全性」

MBTI各タイプの不健全性は、各タイプが自タイプの強みを得ようとすることから生じる弱点です。認知的には、第一機能に関する性質が歪んだ形で現れます。

愛のタイプにおいても同様の不健全さが生じます。

アガペー

アガペーが過剰な場合、ENFPの不健全性…「ENFPの信念」が生じます。

これは、自身の感情には価値がなく、真正ではなく、愚かなものである、という恐怖です。

そのため、過度にアガペー的な関係では、その関係が真正でなく、未熟で、価値がなく、実際よりも誇張されているのではないかという恐怖が生じます。

 
「ENFPの信念」が暴走すると、ENFPは自身の感情や自尊心の正当性を証明しようとして、他人の感情や自尊心を蔑みます。

同様に、アガペーが過剰な場合、当事者は自身の人間関係の真正性を証明するために、自身の人間関係が他者の人間関係よりも「より」意義があり、強力で、永続的で、美しく、原型的で、啓発的である…と主張する必要性を感じます。

不健全なアガペーの関係では、自身の人間関係やそのメンバーが他者のものと比べていかに高貴で、甘く、愛らしく、おとぎ話的であるかを過剰に話します。

 
しかし、アガペーが他タイプの愛の要素を取り入れると、実体(意義)がないことへの恐怖を克服し、その真正性をわざわざ証明する必要性を感じなくなります。

エロス

エロスが過剰な場合、ENTJの不健全性…「ENTJの癇癪」が生じます。

これは、自分の意志を真に聞いてもらえないことへの恐怖であり、自分の思い通りにしたいのであれば、それをハッキリと主張しなければならないという感覚につながります。

 
同様に、過度にエロス的な関係では、関係するメンバーの一方、または両方ともに次のような感覚が生じます。

「自分の欲望や方向性を主張しなければ、自分の意見は相手に聞き入れられない…」

 
エロスの本質は、各メンバーの個性的で刺激的な意思のラッシュです。

しかし、エロスが多すぎると自分の意志が危険にさらされていると感じるようになります。

この場合、カップルであれ、家族であれ、友人であれ、各メンバーはそれぞれ多くのことを望み、様々な方向を指向します。

 
「ENTJの癇癪」が暴走すると、ENTJは、より騒々しく、強引になり、他者の意思を完全に否定し、相手が妥協しないなら自身はまったく妥協しないと主張します。

そして、相手の意思を自由に輝かせるのではなく、相手の意思をコントロールする方がはるかに安全だと感じます。

同様に、過度にエロス的な関係における各メンバーが自身の主張を聞いてもらえないと感じるとき、他者の意思は恐ろしく、自分ではコントロールできないものだと感じるようになります。

 
しかし、健全なエロスの刺激的な炎は、意思の違いや対照、欲望の違いを楽しむことから生まれます。

エロスが他タイプの愛の要素を取り入れると、エロスは豊かさと幸福の深みを増し、相手の意思が満たされることで自身は恩恵を受け、各メンバーは独立して強くなり、それがより強い関係となることが分かるようになります。

フィリア

フィリアが過剰な場合、ISTJの不健全性…「ISTJの否定」が生じます。

これは、世界において真に自分が在るべき場所、自分が属する場所がなくなるのではないかという恐怖です。

 
永続する場所(自分というパズルのピースがピタリと収まる場所)は決して見つからない…

 
フィリアは人間関係が各メンバーに提供する役割にフォーカスしています。

過度にフィリア的な関係では、いまある人間関係が失われたとしたら、世界における自身の役割を得る機会が永遠に失われるのではないか、という恐怖でいっぱいになります。

ある関係を1つしか手に入らない貴重なもとして扱うのはフィリアの優れた側面ですが、「ISTJの否定」は、現在の関係を永続的な唯一の場所と捉え、それを失うことを恐れ、不安とパニックに満ちた人間関係を引き起こします。これは各メンバーが成長し真に人生を生きることを妨げます。

または、本来はそうあるべきではない有害な関係に人々を引き留めてしまいます。

 
しかし、フィリアが他タイプの愛の要素を取り入れると、大切にされていると感じられる場所を新たに見つける力を得たり、永遠の献身を発揮する場所を得ることができるようになります。

ストルゲ

ストルゲが過剰な場合、ISFPの不健全性…「ISFPの不安」が生じます。

これは、世界は大きすぎて、怖くて、危険で、、、大切なものを守ることができないのではないかという恐怖です。

過度にストルゲ的な関係では、自分の神経が「外の世界にさらけ出されている」ように感じられ、十分に安全だと感じられるものが何もなくなります。

 
「ISFPの不安」が暴走すると、大切なものに過度にしがみつき、愛するものの周りに砦を築いてしまい、愛するものを窒息させたり、愛するものを自分で壊してしまうことさえあります。

同様に、ストルゲが暴走すると、当事者は人間関係や各メンバーが外の世界にさらされて傷つくことを恐れ、壁を築きます。

外部のあらゆるものが、自身が大切にしているものを壊す力を持っているように感じます。

 
しかし、ストルゲが他タイプの愛の要素を取り入れると、真の愛はすぐに壊れるものではなく、すべての要素に耐えることができ、各メンバーにとっての安全地帯となることが分かります。

過度の愛の具体例

自身の人間関係や関係における各メンバーが、他の人々の関係性と同じように真正で意義のあるものであることを証明しなければならないと心配している。

そうしないと、それらが矮小化され、意義がないもであるように感じる。

→このように感じているなら、その関係性はアガペーが過剰です

 
 
自身の意思を聞いてもらい、自身の欲求を満たしてもらうためには、無理をしなければならないのではないかと心配している。

自身が望むものは、相手が望むものとあまりにもかけ離れているように感る。

→このように感じているなら、その関係性はエロスが過剰です

 
 
この人間関係を失ったら、世界の中において私に与えられている役割(配偶者、恋人、友人、親、子供としての役割など)を失うのではないかと心配している。

この関係を失ったら、私はこの世界で二度と同じように交流することはできなくなってしまう…

→このように感じているなら、その関係性はフィリアが過剰です

 
 
この人間関係のメンバーを安全に保つことができないのではないかと心配している。

この関係性を外部の影響(身体的、精神的、感情的、文化的影響など…)から守る必要がある。

私は人間関係やそのメンバーを安全に保たなければならない、そうでないとそれらが壊れてしまう。

→このように感じているなら、その関係性はストルゲが過剰です。

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